My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ

光の姫君




ソフィアと一緒に過ごす時間は、まるで夢の様だった



俺の話を興味津々に聞く、彼女の姿が

瞳を輝かせて俺の話を聞く、その姿が


愛しくて愛しくて

仕方なかった




徐々に明るい表情を見せるようになったソフィア

初めて会った時の、あの雪の様な冷たさを孕んだ、どこか脆い姿は身を潜め

その変わり、春の花の様な温かい空気が彼女を包んでいる



それでも、たまに現れる

儚い、あの表情



夜空に浮かぶ月を見上げては

悲しそうに瞳を細める




その瞳の奥に

何があるかは



―――俺は知らない


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