My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
カツン
カツン
夜とは違う雰囲気の螺旋階段を上がる
一段上る度に、頬が緩んで
口元が三日月形になる
どうしてこんなに胸が高鳴るんだろう
いつも会っているはずなのに
まるで今日、初めて会う様な―――
そんな子供の様な感情の端で、不思議に思う事もあった
今までは見張りなどで、昼間は安易に近寄れなかったのに
今日は誰とも会わずに来れた
不思議に思いながらも、軽い足取りで上を目指す
今の俺の頭の中は、彼女の事でいっぱいだった
グルグルと階段を昇る
迷路の中に迷い込んでいく様に