My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ


「行こう。父さん」

「あぁ」



荷物を片付けて、父も勢いよく馬に飛び乗った

そして、真っ青な空を見上げて祈りを捧げる




「風よ。お守り下さい」




その言葉を聞いて、胸に手を当て目を閉じた

深く息を吸えば、胸いっぱいに清々しい空気が広がる



俺達の国の儀式――



どんな時も、風が俺達を守ってくれる

どれだけ、あの風の国から離れようとも

きっと――




そう信じて

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