My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
「――きっと3日後には川に着くはずだ」
ゴクゴクと乾いた喉を潤しながら、父がそう言う
走り続けている馬の体を撫でていた俺は、振り返って頷いた
「もう少し休んだら出よう」
川に出れば、水もあるし、魚もいる
それだけで、死の危険を2つも回避できる
常に気を張っているこの状況から少しは解放される
そう思うと、少し胸が軽くなり
腰につけてあった袋から、水を喉に流し込んだ