My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
マズイッ!!
きっと、ゲイルの奴らだ
足跡を追ってきたんだ
「父さん! 持ち上げるよ!!」
横たわる父にそう叫んで、ぐったりとした体を勢いよく馬に乗せる
ポタポタと全身から流れる血の量は尋常じゃない
「走れっ!!!」
父を乗せてから、勢いよく馬に飛び乗る
そして、そのまま馬の腹を蹴り足音とは反対の方へ馬を進める
どこかの国に逃げ込まなければ、逃げ切ることはできない
だけど、ここがどこだか見当もつかない
いや――考えている暇はない
とにかく、今は逃げる事だけ考えなければ