My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
「会えないのか」
そんな錯覚の中、揺らがない様に強く言葉を落とす
そんな俺の声を聞いて、すっとその瞳を伏せた彼女
長く細い睫毛が瞳を覆う
「今は駄目だと...ホリス様が」
「ホリス?」
「先程もいらした方です。この国の守護を任されている、御方です」
そう言って、部屋の中に1つだけある扉に手をかけた彼女
白い木の扉で、その壁に緑の蔦が流れる様に絡んでいる
「それでは、ゆっくりとお休み下さい」
最後にそう言い残して
俺の言葉も聞かずに、その扉は閉まった