My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
「―――生き・・・てる」
まだ、どこか冷たさが残るものの
ドクドクと手首から命を感じる
生きてる
その瞬間、安堵が胸いっぱいに広がって
やっと息をする事ができた気がした
すると
「生きている事自体、奇跡だと」
「――」
「治した者が言っておりました」
ゆっくりと、俺の側まで来て
父の頬にそっと手を添えたグレイス
「お強い、御方」
そして、そのままゆっくり瞳を閉じたグレイス
その姿はまるで、父に命を吹き込んでいる様にも見えた