秘密な蜜愛


カタ…カタカタカタ…


薄暗いフロアに響く、タイピング音。

それを“心地良い”と感じ始めたのは、いつ頃からだろうか。

熱々のブラックコーヒーを準備し、それを飲みながらいつものように作業に取り掛かる。


ブックマークしておいたサイトの中から一つを選びクリックすれば、パッと顔に当たる光がより強くなった。


時刻は…相変わらずと言うべきだろう。

すでに見慣れてしまった23時を指す針。

数ヶ月前の自分なら今はきっと、晩酌中か布団の中に違いない。


…それなのに。


こんな生活リズムになってしまった原因。

それはきっと、目の前に映し出された人物のせい。

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