ブラッドサースティ・キラー
 どうしてこんなことになってしまっているのか、今まで自分が何をしていたのか、――ワカラナイ。

 無意識のうちに呼吸が荒くなって、身体中から汗が噴き出していって、心臓が忙しく暴れ出す。


「――綺麗だろ?」

「っ?!」


 背後から男性の声がして、僕の身体がビクリと震え上がるのが分かった。

 反射的に振り返ると、そこには真っ黒い服を身につけた1人の男性が立っており、僕を冷たい目で見つめていた。

 ……僕は彼が誰なのかを知っていた。

 彼は――。


「まーた、殺しちまった」


 ――“殺人鬼”だ。
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