ブラッドサースティ・キラー
「えーっと?ここがこうなって……ああなって……フムフム、なるほど、なるほど……」

「絶対に分かってないでしょ」

「あっ。分かる?うん、うつしてるだけだから内容が頭に入ってこない。“内容が無いよう”、なんつって」

「寒いよ、大地」


 自分の言ったギャグが気に入ったのか、僕が冷ややかな目をしても大地はしばらくは笑ったままだった。

 淡々と宿題をうつしていき、やがてうつし終えた大地は、バッと顔をあげて僕の瞳を見つめた。

 その表情はいつになく真剣で、思わず、息をするのを忘れる。
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