キスから始まるセカンドラブ
「可愛いと思った。キスしたいと思った。だからしたんだ。悪いなんて思っていないのに謝る理由もないだろ」



「酷い。キスは智人さんとしかしないつもりだったのに・・・」




「じゃあ無理矢理つき飛ばせば良かったんだ。無抵抗だったのはあんたも嫌じゃなかったからだろ?」




「違う、違う。私は・・・」




智人さんとのキスしか受けたくなかった。そう言いたかったのにけたたましく鳴り響くお腹の音。


は、恥ずかしい。それまでの緊縛感は一気に消えていく。大きな声をあげて目の前の彼は笑っていた。


「あんた、やっぱり可愛いわ」


穴があったら入りたい。あんなに敵意むき出しで対抗していたはずなのになんて間抜けなんだろう。でも笑ってるその姿がなんだか嬉しくて私もクスっと笑い返した。
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