チャット恋愛注意報!!(旧)


「当時のことを覚えてるのは、多分もうフジヤマだけ。 だって、6年だよ? 12歳だった俺が18歳だよ?
チャットに来る人間は前と違う。 時代が変わったから、仕方ないことだと思う。
でも、フジヤマはずっと居るんだよ。 『高校生ルーム8』で、いつも笑ってるんだ」




ジュースを口に運び、そして、YUKIは私を見る。




「フジヤマはユキ姉を待ってるんじゃないか、って思ったよ。
だから俺、昔のことを思い出しながら……毎日がキラキラと輝いていた時のことを思い出しながら、フジヤマとチャットした。
思い出を消したくなかったんだよ。 目の前の画面に映し出される『フジヤマ』って名前の人と、繋がりを持っていたかった。
……って、こんな風に言うと、俺がフジヤマに惚れてるみたいな感じに聞こえるね。
でも、憧れてたのは事実だから……人間として、あの人のことが好きだったんだろうね」




苦笑気味に笑ったYUKIは、ケーキを一口食べてから私を見た。




「これもフジヤマには内緒で。 こんな話をあの人にしたら、『俺と寝るか?』とか真顔で言われそうだから」




その言葉を聞き、私は『確かにっ』と言いながらふふっと笑った。



……その後、私たちはのんびりとチャットの話をし、近くのテーブルにお客さんが来たのをきっかけに、ファミレスをあとにした。


その後、地下鉄の駅から待ち合わせをしていた駅まで向かう。


時間は、そろそろ夕方の6時。 YUKIとのあっという間の1日が、終わろうとしている。


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