夏のカケラ
だが、その風は冬の風では無く、どこか春の様な暖かさが有った。



「・・・笑わないよ」



マイが呟いた。


僕はマイを見た。


「・・・行きなよ・・・」


マイは川を見て目を細めながら呟く。


そして、僕に近付いた。


「昔から・・・伝わるベタベタな呪文を言って上げようか?」


マイは僕に微笑みながら聞いた。


「ベタベタな呪文?」

「・・・そう、特に幼なじみが言った方が効果が有る呪文・・・」


マイはそう言うと、僕の目を見つめた・・・











「甲子園に・・・連れてって・・・!」













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