夏のカケラ
「ねえ、私また告白された」

特訓が終わり、冬の夜風に吹かれながら帰っている時であった。


マイがポツリと呟いた。


「誰に?」

僕は冷静にマイに尋ねる。

「二組の前川に」

「今年に入って三人目だな」

僕は笑ってしまう。

「モテる幼なじみを持って鼻が高いでしょ」

マイが僕の顔を覗き込む。

「ですね、少し分けて欲しい」

「ヒロは・・・ミキとはどうなったの?」

マイの質問に僕は首を振る。

「なーんも・・・って言うか・・・そんな事は考えて無いな・・・今は・・・」

僕は夜空を見上げた。

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