夏のカケラ
甲子園
9回の表、進化したケンの勢いは止まらない。


生野打線を全く寄せ付け無いのだ。


ツーアウト。

バッターは生野の主砲、四番の西宮が打席に立つ。


ケンは僕のフォークのサインに首を振る。

僕は溜め息をついた。


天才は天才を知るんだな・・・

良いよ・・・思う存分楽しめ!


ケンは、渾身のストレートを投げ込む。


西宮のバットが空を切る。

続けて二球目、西宮はファールを打った。


西宮の顔が焦っている。


そりゃそうだろう・・・

今のケンの球は・・・

半端じゃ無い!


ケンは大きく振りかぶって、僕のミットに投げ込む・・・!


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