鏡の中の彼女
俺が知っていた誰か
「ちっす」


そう言いながら潤が入ってくる。


今日も制服のまま。


「退院明日なんだってな」


「あぁ」


「おめでと」


「ありがと」


もちろん潤のことも覚えていなかったけれど、俺はこいつといるとなんだか普通にしていられる。


心配かけたくない、と思う自分じゃなくて、素の自分を出せる。


1つのことを除いては、だけど。


「学校は来週から行くよ」


「おぉ。なんか久しぶりだな」


俺が学校に行くのは、どうやら1ヶ月以上ぶりらしい。


しかも学校はもう少しで冬休み。
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