Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩


「悠里っ、ありがとう~」


さすが私の弟!!
よく気がつく上に優しい!!

感極まってガバッと抱きつくと悠里は私の頭を撫でながら慣れたように「はいはい」と笑顔で往(い)なして、会計を促した。


ご機嫌でレジをしているところへリノちゃんと川端君がそろそろっと近づいてくる。


「お話には聞いていましたが、色々な意味で想像を超えた弟さんでした。…スゴイですね。」

「えっへっへ~。そうでしょー?悠里は自慢の弟なの。」


自分が褒められたみたいに嬉しくなって得意になる。

悠里は昔から頭もイイんだから。
スポーツだって得意だし、しっかりしてるし、何でも出来ちゃうんだから。

容姿もずば抜けてイイ。
一言で言っちゃえば童話から抜け出た王子様。

今だって周囲の女の子の視線を鷲掴みなんだから。


「アナタ、あの弟に相当に甘やかさ……いえ、大事にされてきたんでしょうね。」

「うん!悠里は何でも出来る上にお世話好きなんだ。」

「あ~…ミクミクがミクミクたる所以が分かった気がした。」


何故か呆れたように溜息を吐く川端君の横でリノちゃんが毅然と言い張る。


「私はいっそコッチでもイイ様な気がしまーす。寧ろ美久さんにはピッタリじゃないですか。川端君は反対派なんですか?」

「や、言いたい事は分かるけども。やっぱ同じ職場で働いている同士として気持ち的に応援してあげたかったというかなんというか…」


まぁ、アレ見ちゃったら敵う気なんてしないんだけどもね、と肩を竦めた。


二人は一体何の話をしているんだろう?

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