Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩

基本、リノちゃんは早番に入る事が多くて、川端君は学校の都合で夕方。

私と麗那さんはどちらかに別れて入るパターン。

木戸さんが来る日に遅番だったら一緒に帰れるんだけど…

そう言う日に限って私早番だったりする。

逆に木戸さんが早く仕事を切り上げて迎えに来てくれるって言う日に限って私が遅番で、挙句には店長が休みで集計から店閉めまで任されていつも以上に遅くなっちゃって。

こないだはデートしようって言って、忙しい木戸さんが仕事を調整して私と同じ日に休日を取ってくれた。

だけど麗那さんにどうしても外せない用事が出来たらしく店長に出勤してと泣きつかれて休日を変更することになっちゃったんだよね。

当然デートは反故。

これまでまともなお付き合いの経験のナイ私だから比べる由もないけれど……

お付き合いってこんなに大変なものだったなんて~。

会いたいと思っても中々落ちついて会う時間が取れないんだ。


ちょっと疲れ気味の溜息を吐いた私は「でも」と景気よく顔を上げた。


「今日は木戸さんが迎えに来てくれる事になってるんだっ。」


連絡があったのは仕事の途中。


『時間遅いしそんなに長く一緒にいられないのは分かってるが、会いたいから迎えに行ってイイか?』


そんな風に木戸さんに言われて勿論拒否する理由なんてない。

どこかに寄って遊んで行くような時間でもなくて、本当に会って少しお話するくらいの時間しか取れなくて、木戸さんにしてみたらまさに私を送るためだけに来てもらっちゃうようなこの状況はちょっと心苦しいけど。

会えるのは嬉しい。

ハァ~…
せめて今日が早番だったらヨカッタんだけど。

やっぱり間が悪い。

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