【短編】友達彼氏
「・・・・ずるいよね、」
牧瀬が顔をそらして呟いた。
・・・・ずるい?
私が?
「成美ちゃんと一緒にいて、オレばっか、どきどきしてる」
「・・・・・・・」
「ずっと触れたくて、でも、それやったら嫌われそうな気がして、我慢して、」
「・・・・・・・」
「ずっと・・・苦しかった、」
・・・・そっか。
私は、知らず知らずのうちに、牧瀬を苦しめていたんだ。
牧瀬の優しさに、甘えてたんだ。
どくん
どくん
どくん
なんだろう、この音。
不思議。
今は、雨音より、はっきり聞こえる。
身体中に響き渡るような感覚。
こんなの、初めて。