【短編】友達彼氏







背伸びをして、顔を隠す牧瀬の左手首に手をかける。
そして、そのまま自分の元に引き寄せると、彼は力なくそれを退けた。

再び目が合う。
手首を握っていたはずの私の手は、いつの間にか牧瀬の手のなかにある。

どんな顔をしたらいいものか、分からない。
だけど、なんだろう。
話をするにはこのほうが数倍良い気がする。



「オレで、いいんだよね、ほんとに」


「うん」


「・・・なんていうか、加藤みたいに、かっこよくけど」


「かっこいいよ、牧瀬は」


「・・・・あー、もうだめ」



繋がれた手が、ぐいっと引き寄せられる。
バランスを崩す体が、ぐらりと揺れ、ゆっくりゆっくり、牧瀬の胸に飛び込んだ。
気付いたらそこは腕の中。
もう、身動きはとれない。



「成美ちゃんってなんでそんな、ストレートなの?」




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