【短編】友達彼氏
そんな余韻に浸っている暇もなく、彼の右手は私の左手から離れた。
「じゃあ、オレ、かえる・・・」
「あ、え、牧瀬・・・!」
それから牧瀬は、握っていた傘の柄を半ば強引に私に握らせ、一人、傘の外の別世界へと飛び出す。
真っ暗な世界に飲み込まれていく背中。
ぽつんと取り残された私は、しばらく呆然と立ち尽くしたまま、そこを動くことができなかった。
ああ・・・・・
最後の最後まで、
牧瀬、
顔真っ赤だったな・・・・。
・・・・・・・
ザァァァー・・・・・・