瑠璃一味のお戯れな学園生活

龍の計略

突然だが、ここはリィの持つ魔銃の弾倉の中。

《シルフ、シルフゥ》

炎の髪、紅いドレスにつり目の火の精霊サラマンダーが、風の精霊シルフを呼ぶ。

《リィが呼んでるよぉ、あの龍之介って奴の傷を癒せってさ》

《えー…》

葉っぱの冠に半透明の白い布を体に巻きつけた白いドレスを着た少女、シルフはあまり乗り気ではない様子。

《私、あの龍之介って子、あんまり好きじゃないのよねぇ…マスターのリィが苦手なドラゴンなんでしょ?あの子…ドリアードが回復させてきてよ》

《ふぇっ?》

蔓を巻きつけた恥ずかしがり屋の少女、ドリアードは目を白黒させた。

《わ、私もうさっきお仕事済ませてきたからっ…そ、それに私も乱暴な男の子は苦手で…》

精霊の皆さんには不評な龍之介。

でも、回復させてきた方がいいと思うよ?

《ん?誰よアンタ》

薄青のドレスに鋭い瞳、氷の精霊フラウが睨む。

あー、はじめまして。

天神シリーズ取り仕切ってる理事長といいます。

《あ、理事長!》

《偉いって噂の人!》

《どの辺が偉いのかはよく知らないけど!》

弾倉の中で、精霊達が口々に騒ぐ。

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