瑠璃一味のお戯れな学園生活
躊躇なく、めのうが咬みつく!

吸血鬼化した事で異常に発達した二本の犬歯が、龍之介の首筋を貫く。

溢れ出す血。

それを口いっぱいに含み、喉を上下させて嚥下する。

ゴクリ、ゴクリと二飲み。

その様子を、黒爪は満足そうに見つめる。

遂に。

遂に臥龍の血族が配下に収まった瞬間だった。

かつて天神の地を火の海にしたという、佐倉の眷属すら手こずらせた最強クラスの一族。

その臥龍の力を、手中に収めた。

それ即ち、天神の地を掌握したも同然。

そう考えた直後。

「うえっ!」

めのうが奇妙な声を上げた。

「うぇええぇっ、ぺっぺっ!気持ち悪っ!鉄錆の味がするっ!何てもの飲ませるのよバカ龍之介っ!」

「なっ…」

黒爪は驚愕する。

吸血鬼にとっては、血は美味にしか感じられない。

多少の味の良し悪しはあるものの、吐き出すほどの不味さは感じない筈だ。

それが例え龍の血であったとしても…。

「…!…まさか…」

顔を上げた黒爪に、龍之介はニヤリと笑いかける。

「古来より龍の血は万能の妙薬…聞いた事ねぇか?」

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