瑠璃一味のお戯れな学園生活

星に願いを

理事長とした事が、肝心なイベントをスルーしてしまうとこでした。

そう、7月7日。

七夕。

「何それ?」

シンが首を傾げる。

「有名な物語があるんだよ」

孔雀が説明する。

昔々、天の川のそばには天の神様が住んでいました。

天の神様には、一人の娘がいました。

名前を織姫といいました。

織姫は機を織って、神様たちの着物を作る仕事をしていました。

織姫がやがて年頃になり、天の神様は娘に、御婿さんを邀えてやろうと思いました。

色々探して見つけたのが、天の川の岸で天の牛を飼っている、彦星という若者です。

彦星は、とても立派な若者でした。

織姫も、かがやくばかりに美しい娘です。

二人は相手を一目見ただけで、好きになりました。

二人は結婚して、楽しい生活を送るようになりました。

でも、仲が良過ぎるのも困りもので、二人は仕事を忘れて、遊んでばかりいるようになったのです。

すると、天の神様のもとへ、皆が文句を言いに来るようになりました。

「織姫が機織りをしないので、皆の着物が古くてボロボロです。早く新しい着物を作って下さい」

「彦星が世話をしないので、牛たちが病気になってしまいます」

神様は、すっかり怒ってしまい「二人は天の川の、東と西に別れて暮らすがよい」と言って、織姫と彦星を、別れ別れにしたのです。

でも天の神様は、織姫があまりにも悲しそうにしているのを見て、こう言いました。

「一年に一度だけ、七月七日の夜だけ、彦星と会ってもよろしい」

それから、一年に一度会える日だけを楽しみにして、織姫は毎日、一生懸命に機を織りました。

天の川の向こうの彦星も、天の牛を飼う仕事に精を出しました。

そして、待ちに待った七月七日の夜、織姫は天の川を渡って、彦星の所へ会いに行きます。

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