瑠璃一味のお戯れな学園生活

坂の上の廃屋には行ってはいけない

「…って話、聞いた事ある?」

「坂の上の廃屋…?」

夏休みのある日。

野菊、咲花、シルヴィの三人は、ファミレスのドリンクバーで何時間も粘りながら、そんな話をしていた。

「ああ、ありますね、天神学園の近くに」

咲花がアイスカフェオレをストローでチューッと飲みながら言う。

それは、壁一面に蔦が生い茂った、大きな廃屋だった。

窓も扉も板を打ち付けて入れなくしてあり、売物件の看板が出ているものの、買い手がつかないままで久しい。

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