瑠璃一味のお戯れな学園生活

次来る時は楽園に

「何か…考えさせられちゃうねぇ…」

倫敦街のメインストリート。

瑠璃一味の仲間と並んで歩きながら、野菊が呟く。

「こうやって皆と過ごすの、当たり前みたいに思ってたけど…もし私達が天神学園に入学していなかったら、仲間じゃなかったかもしれないんだねぇ」

確かにそうだ。

多種族多様な人種を全て『個性』と見做す天神学園だが、それがもし別の世界、別の土地だったら。

他流の剣術としてグリフィノー兄妹と夕城一派は争い合っていたかもしれないし、希少種の古代竜や紅月狼として、シルヴィや咲花は追われる立場だったかもしれない。

異能の存在として野菊はシンを好きにはならず、臥龍を只の魔物として夕城一派は討伐の対象としていたかもしれない。

天神の地で出会ったから、彼らは仲間になれた。

もし倫敦市で出会っていたら…。

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