瑠璃一味のお戯れな学園生活
貫いた切っ先を引き抜きながら。

「お前と組むくらいなら」

琴子は酷奏丸を横に薙ぐ!

「久遠の隣の方がずっと居心地がいいですの!」

『終曲(フィナーレ)』

首を刎ねようとした刃は、黒爪の迅速な回避によって空を切った。

相変わらず引き際は素早い。

夜闇の中に消えていく黒爪。

「チッ…」

酷奏丸を鞘に納めた後。

「……」

琴子は爪先から頭の天辺まで真紅に染まって、久遠の方を振り向く。

「琴子さん…」

「あぁぁああぁあぁぁっ、べべべべべ別にさっき言ったのは大した意味はないですのっ!たたたたたたただの比較論として、黒爪よりは久遠の方がまだ幾らかマシという意味でっ!」

「僕の隣でいいなら、何時でも空いてます…」

「なななななな何ほんのり頬を染めてますのっっっっ!」

「琴子さんは、ほんのりどころか真っ赤です」

「うううううううう五月蝿いですのっ!」






生粋の琴月剣士は、事の他に純情だった。











< 2,440 / 2,622 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop