瑠璃一味のお戯れな学園生活
姉はもう大学生だ。

他の大学生はというと、コンパだサークルだと友人同士で盛り上がって、毎日のように遊び呆けているのに、奏多ときたらインドアで外出も必要最小限。

友達がいない訳ではないのだろうが、飲みに行ったり食事に行ったりという事もない。

正直、弟として心配だったのだ。

奏多に浮いた話があったのは、高校の時だったか。

天神地区でも名の知れた、橘家の長男に気があるような素振りを見せていた時期があった。

まぁ、大金持ちだし、天才バイオリニストだし、廊下を歩いていれば女子生徒ならば誰もが振り向くイケメンだし。

あの貴族みたいな改造制服はどうかと思うが。

ともかく、奏多でなくとも恋心を抱いて当然の相手。

当然ライバルは多過ぎて、奏多などではお眼鏡に適わなかった。

尤も恋心というよりは、好きな芸能人に憧れを抱く感覚に近かったが。

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