通学恋愛
「降りろ、平井!」


あたしはしぶしぶ、後ろから降りた。


「バツとして、佐久間も降りて、居残り補習しろ!」


「え、オレもっスか!?」


自転車に乗ったまま、駿太が転けそうになった。


「そうだ!自転車を二人乗りしたバツた!

それにもともと、お前の成績じゃ補習確定だったからな!!」


「えー……」


自転車から離れようとしない駿太。


「仕方ないじゃん駿太ー」


訴えても、降りる気ナシ。


すると、うなだれていた駿太が、急にぴんっと元気になった。
< 272 / 370 >

この作品をシェア

pagetop