アフターグレイ
お願い、笑って。
私、今まで悠太のこんな表情、見たことない。
「俺さ、」
ポツン、と。
私の顔をわざと映さないようにしてるかのように視線を下に向けて、悠太は言葉を紡ぎ出した。
悠太の酷く落ち着いた声が、私の鼓膜を揺らす。
言葉を間違えないように、しっかりと一音一音確認しながら声出すその姿に、私は笑いながらも泣きたくなった。
悠太はいつもそう。
バカで何も考えてなさそうに見えながら、キチンと色々考えてる。話し相手を、ちゃんと思いやってる。
悠太は優しすぎるんだ。
「理沙のこと、すっごい好きだったんだ。」
知ってたよ。
悠太が私のこと大好きなこと、すっごいわかってた。