あ・い・う。


――キーンコーンカーンコーン。


授業終了のチャイムが、蝉の声に負けない大きさで鳴り響いた。


其れと同時に私は解放感を得た。


「くうあぁー……」


「お、デカイ欠伸だねぇ」


間抜けな欠伸をした私の目の前に、緑のヘアバンドを着けた茶髪が現れた。


「だって数学だるいし」


「まぁな。でもねー…だからって欠伸は無いんじゃない?」
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