クール女子と大泥棒が恋すると、





「柏木さんっている?」


A組の子に声を掛け、柏木さんを呼び出してもらった。



「あ……えっと……何?」



あ……この人か……。



別に超絶美人って訳ではないけど、

私よりは確実に可愛い。


長い黒髪パッツンで、目はクリンとしてる。




「その……千歳くんがあなたのこと好きっていう噂聞いてさ……。

本当なの?」



美月は早速本題に入った。




「そう!そうなのよぉ!」



見た目大人しそうな子だったのに、

柏木さんは千歳の名前が出た途端に表情がパアッと明るくなった。




「それがね!

私、実は千歳くんが好きなんだけどぉ……。」



うわー……。

初対面の人に好きな人とか言えちゃうんだ……。



「千歳くんの前を通りすぎるたびにねっ、

千歳くん!私のこと目で追ってるの!!」



「え……それ勘違いじゃなくて?」



さすがの美月もちょっと疑いの目。



「私の友達も『千歳くん今見てた』って言ってくれるの!」



そうなんだ……。




「それでねっ!今日の昼休み、

千歳くんに告白しよっかな……って思って……。」



その言葉に私は頭を殴られたような気分になった。






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