だから私は雨の日が好き。【夏の章】※加筆修正版
天泣

休日...キュウジツ






からりと晴れた空が、夏が来たことを告げていた。

じりじりと突き刺すような日差しは、今年も私を悩ませるに違いなかった。



梅雨が明けて夏が来きたけれど、私の気持ちは夏の空のようにからり、とはいかなかった。

問題は山積みで、それから目を逸らしたまま一ヶ月以上が過ぎている。


あれから櫻井さんは何事もなかったように元に戻ったし、森川は明らかに私の様子を気にしている。

森川に相談していいものか、と悩んだ結果、あまりにも身近な事過ぎてなんとなく言わないでいる。



仕事の方はというと、少し落ち着きを取り戻してきたものの、夏キャンペーン真っ只中なのでそれなりに忙しい。

とはいえ、休日出勤を余儀なくされることもなく、こうしてのんびりとして休日を過ごしているのだ。




『今年の夏は少し落ち着くだろうから、しっかり休むこと。八月に入るとオータムキャンペーンの受注かなり入っているから、また忙しくなるわよ』




金曜日の帰り、水鳥さんに言われた。

確かに、夏のキャンペーンよりも秋のキャンペーンの方が力が入る。

なぜなら、秋から冬に掛けての顧客を掴まないことには、クリスマス商戦で惨敗する羽目になるからだ。



怒涛の冬が近づいていることを、仕事の流れで感じている。

季節感があるようで、先取りしすぎてわからなくなってしまうのも事実だ。




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