シュシュ~番外編①~
3.嫉妬で恋は加速する
仕事を始めるも、なかなか順調に進まない。

その理由は、オレが一番よく知ってる。

・・・そう、美織にしてしまったキスの事。


彼女はどう受け止めたのか?

何の言葉もなく、してしまったキスには、

愛が感じられない。…オレの愛など、きっと届いてはいないだろう。

気まぐれでしかないと、美織は思っている。

いや、あのキス自体、ないものにしたいと、思っているかもしれない。


「どうした、龍之介?」

書類をデスクの上に置いた東吾が、心配そうな顔で、

オレに問いかけた。



「…今は、仕事中だぞ、会社では、社長って呼べよ」

不機嫌そうにボヤくと、東吾は笑った。


「ぁ、悪い。でも、今までずっと、それで呼んできたんだ。

直すのは無理だよ…他の会社の人たちの前以外は、このままでいいだろ?」


「・・・ったく。しょうがないな」



「・・・で?今不機嫌な理由は?」

「・・・」

オレのちょっとした表情の変化で、東吾は、何でも分かっちまう。

ありがたいが、こういう時は、厄介な男だ。
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