砂漠の夜の幻想奇談

もどかしくて拳を握った時だった。

「サフィーア様!ここにいらっしゃったのですね!執務室にいないので探しましたよ」

パタパタとドニヤが駆けて来た。


(ドニヤ!もう礼拝が終わったの?気づかないうちに、かなり時間が経ってたのね)


「あら?中庭にいるのは王子?それに…誰かしら?見かけない人ですね」


(そうだ!ドニヤなら止められるかもしれない!)


だが、どうやって伝えよう。

サフィーアが悩んでいると、また人がやって来た。

武官のトルカシュと側近のバルマキーだ。

「サフィーア様~。王子が礼拝に来なかったんですが、居所知ってます?」

トルカシュの質問にサフィーアは中庭を指さした。

「おや、あそこにいらっしゃいますね。三日月刀を持って」

バルマキーの声につられ、皆で一斉に中庭の光景を見つめる。


< 184 / 979 >

この作品をシェア

pagetop