砂漠の夜の幻想奇談
「ダリラ…?今、なんと申した?」
「はい、申し上げます。サフィーア王妃様、ご懐妊にございます」
つい先程、この噂をしている侍女達のヒソヒソ声をバッチリ耳にした老婆、ダリラ。
彼女は自分の女主人であるゾバイダ王太后に早速報告した。
「シャールカーンに……子供が…」
とうとう懸念していたことが現実になった。
痛いくらいに唇を噛み締める。
「殺せ!!遠慮はいらぬぞ!今なら誰の邪魔も入らぬからな!!」
「御意にございます」
ダリラは恭しく頭を下げた。