【完】泣き顔スマイル
「……分かった、行ってくる」
「……うん。行ってらっしゃい」
冬の夜が早くて良かった。
即席で作った笑顔は引きつりまくりで、また邪魔をしてしまうところだった。
ゆっくり段差を下りていく修ちゃん。
『修ちゃんが見えなくなったら私も帰るから』そんな言い訳を溢して、小さくなっていく背中を見送る。
頭の中を駆け巡るのは
修ちゃんとの思い出全部。
これまで、ずっと一緒だった。
いつか修ちゃんの好きな人になりたいって思ったのは小学一年生のとき。
それからずっと
修ちゃんを追いかけてきたけれど
それも今日でお終いなんだ。