【完】泣き顔スマイル
今更だけど、髪型も服もメイクもあのときと別人の美香さんは、知ってるのに知らない人のようで。
隣を歩くのが落ち着かなかった。
「今日どうしても会いたかった。
会って、謝りたかった」
「…」
「家庭教師を辞めるって言ったとき、修は『付き合ってることがバレたから?』って訊いたじゃない? そうじゃないの。
私が修に本気になりそうで
怖かったから、逃げたの」
冬空の下
口から漏れる白い息が煙のようだった。