大切な人

不安とドキドキ

「じゃーあー、自由行動の時どうするー?」






あたし達の班を仕切るのはやっぱり西野さんで………






「晃輝君はどこがいいー?」






そう言って晃輝に地図を近づけて仲良さげに話している。






なんであたしがこんなの見てなきゃいけないんだろう………






どうして……どうしてあたしが………






「……さん?吉澤さん?」






「えっ!?あっ、何かな!?」






神崎君の声で我にかえった。






「吉澤さんはどこ行きたい?」






いくつかに丸がしてあるガイドブックを差し出してきた。






ふと、目にとまったのは有名なお好み焼き屋さん。






「ここ行きたいな!」






「ん?……お好み焼き?はははっ!吉澤さんらしいね!」






はははははっと笑う神崎君。






神崎君といると、不思議と笑みがこぼれてくる………






神崎君といると、晃輝とのモヤモヤが、少し晴れような気がした――――――――――
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