捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。

　

「……嫌じゃ、ないです」

「そうですか……なら良かった。じゃあ、触れてもいいんですよね？」

「……はい。どんと来い、です」

「！ふ、そんなこと言って後悔しても知りませんよ？」

「えっ？」

「許しももらったことだし、少しずつ触り倒していきますから、覚悟していてくださいね」


にやりと愉しげに笑う惣介さんに、私は慌てて訂正を入れようとする。


「！！や、やっぱり、前言撤回しま」

「ダメです。もう変更不可です。……もう一生、離す気ありませんから」

「！し、心臓壊れそうです……っ」

「……俺も、です」


傍から見たら絶対にバカップル並みの会話に、私たちはくすりと顔を見合わせて笑ってしまう。

ふと襲った気持ちを素直に口に出す。


「……あの。」

「はい」

「すでに幸せなんですけど……これからどうしましょう……」

「……もっと幸せになればいいんです。っていうか、なりましょう」

「……はい……っ」


涙が出そう、と目をぎゅっとつぶった時、目尻にちゅっと柔らかいものが触れ、私はぱちっと目を開けた。


「っ！？」