捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。

~2.足枷 -side.Sousuke

 
~恋人になって半年。4章と5章の間のできごと。~


***

街はきらびやかに彩られた店のディスプレイや、キラキラとした笑顔を浮かべる人々の姿で溢れ返っている。

そんな中、車の中で俺は一人モヤモヤと悩んでいた。


「うーん……、うーん……」


唸る。

……どうする?どうしたらいい?

……思いきって、今日言ってしまうか?


「……俺、実は…………」


ポツリと呟き、その後に続く言葉を口に出してある行動をした後のことを想像する。

……目の前の人物がどんな表情をするだろうか、と。


「……。」


頭に鮮明に想像されるのは驚きと困惑の表情。

笑顔はどうしても想像できない。

……やっぱり、怖いな……。

はぁ、と盛大に俺は溜め息をつき、トンっとシートに頭を預け、車の天井を仰いだ。


「……まったく、ヘタレ過ぎるな、俺」


……今悩んでいるのは、約2ヶ月前に出逢った愛しの彼女に“あること”を告げるかどうかだ。

それはハイリスク過ぎて(リターンがあるのかもわからない)、言うか言うまいか、どうにもこうにも決断ができないでいる。

……いつかは言わないといけないことだと頭ではわかっているのに……踏み出せない。

……その“あること”というのは。

 
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