航平さんと雨芽ちゃん
家族

雨芽side



あの人に反抗したのは、これが初めてだった。

いつもあの人は遠かった。
威圧感たっぷりで、笑顔の1つも見た事ない。

何でも勝手に決めて、振り回されるのはいつも私。


ちょっとトラウマで震える手をグーにして、やっと拒否する事が出来たけど、その後、何も聞かずに出てきてしまい、言い逃げになってしまった。


暫く走って、庭の池のそばにやって来てやっと立ち止まった。

池の水面を見つめ、ボーッと考える。


航平…置いてきちゃった。
ごめん。
名前呼んでくれたような気がするけど、返事しなかったと思う。


全然気にしてる余裕がなかった事に後悔を覚える。

折角一緒についてきてくれたのに、ほんと何やってんだろう…私。


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