恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
支えられるはずの体は重力に従って地面に向かい。
同時に物干しざおが大きく揺れて……スローモーションのようにそれが落ちてきて……。
ギュッと目を瞑った瞬間。
「――瑠依っ!!!」
腕を引かれてふわっと……柔らかいものに包まれた。
え……。
シャボンの香りと、ほのかな温もり。
ここ……佑真の……胸の中……?
あたし今……佑真に抱きしめられてる…?
そんな淡い妄想のような時間もつかの間。
ガシャン!
その直後、あたしの真横に外れた物干しざおが叩きつけられた。