恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

「えっと、えっと……」


でも、佑真の表情を見る限りセーフみたい。



……危ない危ない。

うっかり勢いに流されて告白するところだった。


"好き"なんて言葉、あたし達には禁句なのに……。



それでもまだ怪訝そうな顔をしてる佑真に咄嗟に口を開く。


「あ、あの、佑真ももう"全国の佑真"になっちゃうんだなあとか思って…」


そう思ってるのは嘘じゃないし。


剛腕な怪物……とか言われて。


女の子からたくさんファンレターとかもらって。


来年の夏もきっと期待されて、プロも注目して……


うん、佑真なら絶対にそう。


「は?なんだよそれ」


そんなことか…と笑うその顔は、まんざらでもなさそう。
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