恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「瑠依、どした?ラーメンのびるぞ」
昔の記憶に耽っていると、佑真が割り箸を目の前で振った。
「な、なんでもないっ!それより、今年の夏こそは甲子園に行けるんでしょうね!!」
女として見てくれないなら、せめてこっちの夢だけでも叶えてもらわないと。
数年前の約束なんて覚えてなくたって、高校球児なら目指すものはひとつ。
それとなくプレッシャーを与えてみた。
「任せとけって。だからこの玉子よこせ」
口先だけでそう言った佑真は、あたしのどんぶりの中に浮かんでいた煮玉子を箸でつまみ上げた。
「あー!」
あたしの大好物っ……!
「それ、最後の楽しみだったのに……」