恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

家には、こうして時々少年野球の教え子たちがやってくる。


もう何年も監督をしているお父さんの教え子たちの年齢は様々で、野球のことはもちろん進路の相談だったり、結婚報告だったり、時には人生相談だったり三者三様だ。


監督冥利に尽きる、なんてお父さんはいつも嬉しそうにしてる。


今日も上機嫌でビールを飲んでいた。


男の子たちはジュースで。


「あ!」


その中の一人の男の子が、あたしを見上げて目を丸くした。


その顔は次第に笑みを携えて……


「あれ?どっかで……」


なんとなく見覚えがあるような……


「はい!あの時はお世話になりました!」


「ああっ!」
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