Dreamer
「それでは、新入生実力テスト、合格者の発表をいたします。」

アナウンスが流れ、私たち新入生は、控え室に置かれたモニタ一に視線を向ける。

ドクンッドクンッ

鼓動があり得ないほど早く打っているのがわかる。

横にいる優も、左に作っている拳が小さく震えていた。

[大丈夫、大丈夫...]

心を落ち着かせて、再びモニターを見る。

「合格者を発表していきます。では、発表します。」

早く発表してほしいと思えば思うほど、この少しの時間がとても長く感じた。

「まずは、前橋咲・前橋達也ペア!」

「やったぁ!」

「咲、危ないって~!」

最初に呼ばれたのは、双子の女の子と男の子。

走り回って喜ぶ女の子を心配して追いかけている男の子。

なんか見ていて微笑ましい人たちだ。

「次は....」

どんどん合格者が呼ばれていく。




-----そして...。

「最後の合格者2名は...松永みずき! 桐谷優!おめでとうございます!!!」

その瞬間、私は嬉しさのあまり頭の中がフリーズした。

「やったぁぁぁ!...みずき?」

「優...」

「どうした?嬉しくないのか?」

「私の...ぽっぺた、つねって...」

ギュウッ!!

「痛い痛い!!..夢じゃない。私、合格できたんだ!!」

「ったく、おせーよ!ばーか。」

そう言って優は私のおでこを指ではじいた。

「っ....!」

優に触れられた瞬間、体中の体温が一気に上がったような感覚がした。



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会場のにぎわい様もおさまってきたころ、坂本先生がマイクをとった。

「お前ら、今日はお疲れさん。合格したやつら!これで終わりじゃねーぞ?ここからがスタートだ!!それを忘れるなよっ!!」

「「はいっ!」」

周りの声に負けないように、私も声をできるだけ張り上げた。

坂本先生が言ってた通り、ここからなんだ。

[私は自分の夢を絶対にあきらめたくない。]

そう心に思った。


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