Dreamer
気持ちを落ち着かせて、私はようやく制服に着替えた。

今日から通う、桜丘学園の紋章が胸元で輝いてる。

少し急ぎめで朝食をとり、髪をゆるく横で結んだ。

「..っし!こんなもんかな~」

私は鏡を見ながら独り言を言って、玄関に向かった。

下駄箱を見ると、やっぱり私の靴しかなかった。

「今日も帰ってきてないんだ..」

私の家庭は、両親が仕事で家にいることがほとんどなく、一人っ子。

寂しくなる時もあるけど、幼い頃からのことだから慣れている。

そっと呟きながら靴を履いて、ドアを開ける。

「行ってきます。」

誰もいない家に私の声が静かに響いた。
< 2 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop