人間狩り【編集中】




「え…」


「そうすれば、羽村君と一緒になれる…」



 (亜梨沙ちゃん…)



「羽村君のことが好きなの…?」



 恐る恐る亜梨沙の背中に問いかけると、亜梨沙は振り返り、笑った。千春をせせら笑う。



「好きって、なにも、付き合ってたし」



 ひどく震えた声で、鼻を啜りながら…。



「宮河さんなんかの代わりになって死んで…」



 声色から、明らかに憤慨していた。怒りの矛先は、かなえに向けられている。



 千春は何も言えない。

 かなえを責めることは、罷り通るようなことではない。

 しかし何も言えない。



 ────好きな人が死んだ。そして故人となった。


 しかも、目の当たりして、その現場を見たんだから。そんな事実、受け入れられるはずがない。死にたくなるのは全然可笑しくないことかもしれない…。


 自分に置き換えて考える。


 もしも光太が死んだら?




 千春は小さく呻いた。




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