出会い系ランニング
笑美を見付けたのは更にその翌日。
ランニングしながら笑美の姿を探していたら、普通にコンビニの外にいつものように座ってた。
俺は笑美の膝と俺の膝が付きそうな近さで笑美の向かいに座ると、笑美がチラリと俺を見て、後ろめたいかのように視線を外して左を向いた。
でも、その一瞬で笑美の左頬にある青黒いアザを見つけてしまった。
「‥そのアザ、どうしたの?」
「別に。親父に殴られただけ」
だけって、何でもない事のように言った笑美に、俺はギュッと胸を掴まれたように苦しくなった。
「帰るの遅かったから?」
「それもあるけど、機嫌悪かったから」
機嫌が悪かっただけで殴られる事に慣れてしまうような環境に、笑美は居るんだ‥。
< 63 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop